ホームページにはSEO、スマホサイト、リスティング広告、SNSまで、さまざまな「手法」があるけど、
それを使うことがWebマーケティング? ネット戦略? 本当に必要なことだけ覚えてください。
第1回 アクセス解析って何のためにするの?
2015/04/21 石井研二(株式会社HARMONY 取締役)
ホームページで成果をあげるためには、ただページを作り、更新していくだけではいけません。プレゼントキャンペーンやSEO、リスティング広告で人を集めるだけでもうまくいきません。
実際、豊富なコンテンツを持ちたくさんの人が訪れているサイトで、直帰率90%、ぜんぜんゴールが生まれないというサイトも数多く見てきました。
なぜそんなことになるのでしょう?
■ホームページで成果を出すために改善すべき3つのポイント
ホームページが成果を出すために不可欠なものは3つあります。
第1に「集客」。そのためにホームページでは、SEOやリスティング広告などさまざまな集客策を生み出してきました。しかし、あわてて数を集めるだけの集客策になってしまっていませんか? ホームページは「商品や企業を評価する人」が集まってこそ成果が出ます。
BtoBサイトなのに一般の主婦層が集まって、訪問者は毎月10万人もいるのにお問い合わせはゼロというサイトもあります。10万人の人が訪れてもCVRが0.01%なら10人しかゴールインしないのですから、サイト内が良くない状態で先に集客にコストをかけることがいかに危険かお分かりいただけると思います。
集客は「量」よりも「質」が肝心。無理に訪問者を増やさず、「顧客になりやすい人」だけを集めるようにして、CVRなんと30%以上というすごいサイトもあるのです。同じ100人のゴールインを達成するのに333人しか必要ないのですからそのコストパフォーマンスはすごいものです。
(集客の質についてはまた改めて記載します)
第2に大切なのは「ゴール」そのもの。多くのサイトで自社のサイトのゴールがどこにあるのか、決まっていません。「お問い合わせ」がゴールだと位置づけられているサイトでも、各製品の詳細ページが見られることがとても大切なのに、それがゴールとして認識されていないので、誰も製品を見ず、企業情報ばかり見られてお問い合わせも結局増えないサイトがとても多いのが実情です。
「資料請求」の他に「メルマガ登録」もあるのに、資料請求の方ばかりゴールとして重視していて、メルマガ登録が放置状態。本当はハードルの低いメルマガ読者を増やし、そこでコミュニケーションを築いて顧客を育てるべきなのに、これでは結局資料請求が増えません。
そう、ゴールは互いに関連していて、手近なゴールをまず増やすことで初めて本来のゴールが増えるもの。お寺にたとえれば、まずは山門に人が集まらないと拝殿のお賽銭は増えないのが当たり前ということになります。
また、ゴール自体の魅力も大切です。会員登録のボタンを押すと登録メリットがぜんぜん書かれておらず、「会員規約」だけを見せているサイトも少なくありません。これでは登録する気が起こらないのは当然ですね。
第3に大切なことは、「誘導」です。集客するページとゴールは同じページではないことが普通。楽しい読み物コンテンツに人が集まっても、そこから会員登録のページは離れているのが普通。広告のランディングページは比較的ゴールに近いですが、それでも「購入」ボタンをクリックしてもらってゴールへ誘導しなければなりません。
こうした大切なポイントが、きちんと成り立っているかを見て、うまくいっていないところを直すことでようやくホームページの成果は伸びるのです。集客、誘導、ゴールについて改善の方向性を探ることが、アクセス解析の第1の目的です。全体のページビュー数だけ確認しても役に立たないのはこれが理由です。
●石井研二(いしい・けんじ)株式会社HARMONY 取締役
雑誌編集、通販企画を経て95年からWebプロデューサー。黎明期からアクセス解析を駆使して多くのサイトを成功に導く。2014年、一般社団法人日本ウェブ戦略担当者協議会を設立。代表理事。株式会社HARMONY取締役。著書に『アクセス解析の教科書(翔泳社)』『ガッチリ成果を出すWeb担当者の教科書~便利テンプレートデータで実務を効率化!(技術評論社)』など。
ウェブマスターを支援するHARMONY TOOLS
広告をもっと活用する。ゴールを増やすために手を打つ。
分析だけでもだめ、広告だけでもだめ。
PDCAサイクルをまわしていくことしか、成果につながる道はないのですから。
と、その前に大事な
各ツールのスペシャルサイトで詳しく見てみましょう